交通事故と保険会社
交通事故と保険会社
そもそも保険会社は、被害者の被害を立証する立場にはないのです。また、保険会社は請求主義の立場に立っています。つまり、請求されなければ支払わない。立証されなければ支払えない。かつ、責任も問われない。しかし、一般人に専門知識を要求される交通事故の被害の立証など、どだい無理なのです。ここに、問題発生の根本があるのです。
交通事故の被害の立証は自分でするしかない。
自動車保険は自賠責保険と任意保険の2層建てになっています。
自賠責保険の上に、任意保険が乗っている形になります。
先般の事故相談では、加害者が車検切れの車に乗っていて、任意保険だけ加入しているという事案でした。これは、任意保険が自賠責保険のうえに乗っている形にはなりませんから、つまり1階がないから2階がない状態ですので、任意保険の支払い対象にはなりません。
このような場合は、無保険車事故として、政府の保障事業の適用を考えるしかないのです。
今現在、走行中の車の1~2割が無保険車と言われています。私のところにくる相談でも、相手方が任意保険に入っていないケースが多々あります。このようなケースに遭遇するたびに、つくづく保険とはなんとありがたい制度だと思ってしまいます。日本の保険会社は、証明さえつけば支払ってもらえます。
現在抱えている渉外事故(ハワイで交通事故に遭ったケース)では、アメリカの保険会社が日本のように細やかに賠償してくれないということを、痛感しています。しかも、裁判になれば弁護士報酬が賠償金の3分の1です。他国との比較が適切かどうかわかりませんが、日本はまだましだと思っております。
社会的インフラとして、日本の保険制度は絶対に国民のために守っていかなければならいと考えています。
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